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[印刷技術・工程紹介]

貼りミシン

伝票の印刷時には丁合い時に切り離すため、伝票使用時に1組単位に切り離して使用するため、飲食店の会計伝票のように明細行をちぎって厨房に渡すため等、一定間隔にミシン(破線状の切り込み)を設定することが多々あります。

1ないし複数のドラムにミシン歯を設置して、印刷の流れの中で切れ込みを入れていくのですが、不規則な位置への切れ込みや、用紙の途中までの切れ込み(ジャンプミシンと言います)等、普通では入れにくい位置にミシンを設置しなければならい場合があります。
そんな時は”貼りミシン”という方法を用いることがあります。

通常、ドラムにミシン歯を設置する時は、設置用の溝にしっかりと固定するのですが、溝位置は決まっているので、特殊な箇所には歯を設置できません。そのため、ドラムの歯をつけたい箇所に幾枚かの粘着テープを貼り、そこに文字通りミシン歯を貼り付けます。テープで貼り付けるため、場所も歯の長さも自由自在です。

説明だけだと簡単そうですが、規定外の位置に付けるため、固定ガイドもセンサーもなにもありません。全て手探りで位置を決め、ズレや角度を確認し、切れ込みの微妙な深さを調整しなければなりません。これらは印刷技術者の経験値が低いと何度もやり直しが必要となり、用紙や印刷時間のロスが膨大になります。

また、使用する歯も貼りミシン専用のものです。しかも長さを調整したり、歯も弱くなるため、再利用はできません。価格も量産されている通常歯よりも高額になります。

今回の動画は、以前一度ご注文いただいたことのある伝票の再注文でしたので、予め位置や高さを把握しているため、すんなりと作業していますが、それでもオペレータの技量が低いと何度も貼り直すハメになります。

貼りミシン用ミシン歯貼りミシンをセットする様子(1) 貼りミシンをセットする様子(2)貼りミシンセット後の印刷の様子(1)

- 2018.07.13 -