印刷雑学
印刷・広告のちょっとした雑学。ご参考までに。。。
チラシ
「散らし」から生まれた言葉で、情報を散らすといった意味があります。この言葉からも分かるように、あるメッセージを四方に散らすということが、チラシの役割そのものだったのです。
古代日本では紙が貴重品であったため、木の札が紙代わりに使われていました。帳簿や記録に頻繁に使われ、人への伝達にも使われました。元は「文板(ふみいた)」が訛ってふだと呼ぶようになったようです。そのため、紙でできているものでも、札と呼ばれるようになり、江戸時代の引き札はその一例です。この引き札(報状とも言われる)がチラシの原形です。面白いことに、引く福(客)を「引く」ことであり、後世になって「散らす」と逆転しています。 ヨーロッパでは、その形状からリーフレット(一枚の葉)と言いますが、チラシの方が内容をよく表しています。
最近ではフライヤー(flier)とも言われています。 またビラはbillから来ています。
広告の割合
2016年日本の広告費
2016年の日本における総広告費は6兆2,880億円
■新聞広告費:5,431億円
■雑誌広告費:2,223億円
■ラジオ広告費:1,285億円
■テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連):1兆9,657億円
◇地上波テレビ:1兆8,374億円
◇衛星メディア関連:1,283億円
■インターネット広告費(媒体費+広告制作費):1兆3,100億円
◇インターネット広告媒体費 1兆378億円
◇インターネット広告制作費:2,722億円
■プロモーションメディア広告費:2兆1,184億円
◇屋外広告:3,194億円
◇交通広告:2,003億円
◇折込広告:4,450億円
◇DM:3,804億円
◇フリーペーパー・フリーマガジン:2,267億円
◇POP:1,951億円
◇電話帳広告:320億円
◇展示・映像ほか:3,195億円
集計方法は多少異なりますが、下記の2002年当時と比べると大きく様変わりしています。
(2002年時の情報)
2002年の日本における総広告費は5兆7千億円で、主な順位は次の通りです。
第1位 テレビCM 1兆9千億円
第2位 新聞広告 1兆7千億円
第3位 折り込み 4千5百億円
第4位 雑誌広告 4千億円
第5位 DM 3千4百億円
第6位 展示映画 3千2百億円
第7位 野外広告 2千8百億円
第8位 交通広告 2千3百億円
第9位 ラジオ広告 1千8百億円
第10位 POP 1千7百億円
マスコミ4メディア広告と言われているのが、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌です。折り込みはそのうち雑誌、ラジオを抑えて3位であることが注目されます。それだけ、重視されてきていることが分かります。ちなみに、インターネット広告は8億円程度。これからどのように伸びてくるか分かりません。 チラシの場合は、折り込みのみのデータなので、その他に出されているイベント用、商品用、店頭用、ポスティング用などを含めるとさらに巨大な額となります。
※電通資料参考
印刷の発明
印刷の発明といったときは、活版印刷のことを指しています。そしてもっとも大切なことは活字が使われたということです。
活字自身はすでに東洋では、使用されていました。ヨーロッパでは、グーテンベルク(ドイツ 1399~1468)によって1450年に発明されました。活字を使っての印刷は、その後急速に発展し、現代の印刷へと発展しました。
日本ではオランダ語通詞をしていた本木昌造(1824~78)が明治2年(1868)に日本の文字の活字印刷を完成させました。この本木活字を定着させたのが、弟子の平野富二です。改良を重ね、東京築地活版所を設立し印刷を本格的な事業に発展させました。
現在はこの活版はほとんど行われず、活字をせず、最初に印刷の原版を作成し、印刷ブラケットから紙に転写するオフセット印刷(大量印刷向き)へと移り、更に版を必要とせずコンピュータから直接データを送るレーザープリンタやインクジェットプリンタによる印刷の技術が向上してきています。
印刷・製版の概要
印刷とは広い意味で原稿と組版、製版、刷版、印刷、さらに製本し、書籍や商業印刷物(ポスター、パンフレット、チラシなど)の形にすることをいいます。
さらに狭義の意味では刷版を印刷機に取り付けて、紙などの被印刷物にインキを転写する複製技術(press、プレス)を印刷と呼んでいるのです。 印刷方式には凸版、凹版、孔版、平版などの方式がありますが現在では大半が平版(PS版)を使ったオフセット印刷方式が主流を占めています。 印刷機には仕様する紙によって枚葉機(まいようき)と輪転機(りんてんき)に分かれるが、枚葉機はシート状に切断された用紙を一枚づつ印刷する方式であり、輪転機はロール状の用紙に印刷する方式です。輪転機は通常オフ輪と呼ばれ、高速・大量生産に優れた印刷機といえるでしょう。
孔版印刷とは
版に傷をつけることで表面のインキが浸透し、紙など被印刷物にインキを付着させる方法です。謄写版が、この孔版にあたります。ロウ原紙をヤスリの上に置き、金属筆で手書きすることで小さな穴をあけ、ここにインキが染み込んでいきます。この孔版は、現在ではほとんど見かけませんが、手づくりの文集や社内報、教材などに細々と使用されています。
一方、シルクスクリーンも孔版の一種ですが、こちらは現在でも様々な場面で活用されています。版画も孔版の一種ですが、こちらは時に10~15色印刷といった芸術的な版画なども見られます。